歯科とライフステージ

≪妊産期・胎児期≫

ライフステージに沿った予防とケアを行うことにより、一生健康な口腔内を保つことが出来、80歳まで自分の歯を20本以上保つことが可能です。80歳まで自分の歯を20本以上保とうという運動のことを、「8020(ハチマルニイマル)運動」といいます。


妊娠中はホルモン分泌の変化により、口の中の唾液が酸性に傾き、むし歯や歯肉の炎症になりやすい状態にあります。歯周病は低体重児出産や早産の原因となることがあるので、定期的に歯の健診を受けるのが理想です。妊娠安定期には受診しましょう。 また、つわりなどの影響で歯ブラシを口に入れるだけで気持ちが悪くなることが多く、歯みがきがおろそかになり、口の中に食べかすが残りやすくなります。歯みがきができない時は、ぶくぶくうがいをしてお口を清潔にし、だらだらと甘いものを食べることは控え、食べたら口をゆすいで、食べカスが口に残らないように気をつけましょう。そして、気分のよい時間帯に、ていねいに歯みがきしましょう。 子どもの歯は妊娠中につくられ、歯の質はこの時期にほぼ決まってしまいます。乳歯の芽である歯胚は、妊娠7週目頃からつくられます。妊娠4か月頃からは、歯胚にカルシウムやリンなどが沈着し、かたい歯がつくられていきます。

≪乳幼児期≫

乳歯は生後6〜8か月頃から生え始め、3歳頃に生え揃います。その後の2〜3年が最もむし歯になりやすい時期です。むし歯予防のためにも、定期的な健診を受けましょう。 歯が生え始めた時からむし歯予防のスタートです。初めは毛先のやわらかい乳幼児用の歯ブラシやガーゼで歯の周りを拭き取ってあげましょう。 早いうちから歯ブラシを使って、歯をみがく習慣をつけることが大切です。 仕上げみがき 歯ブラシに慣れてくると子どもは自分でみがきますが、まだ上手にみがくことはできません。最後は保護者の方が必ず仕上げみがきをしてあげてください。 奥歯の噛み合わせ部分には複雑な溝があり、ここに歯垢がたまり、むし歯にしてしまいがちです。かかりつけの歯科医院でフッ素(フッ化物)を塗ってもらうこともむし歯予防に有効です。フッ化物は、歯の表面の歯質を強くし、むし歯になりかかった歯の再石灰化(なおす働き)を促進します。

≪学童期≫

2~3歳頃までに乳歯は生え揃いますが、永久歯の生え替わりは5~6歳から12~13歳頃までに行われます。 乳歯が抜けたり、永久歯が生えたりして、歯並びがデコボコしているので、歯ブラシの当て方に注意しましょう。





≪思春期≫

思春期はホルモンバランスの乱れや生活の変化により、歯ぐきの腫れや出血などの歯肉炎が起きやすい時期でもあります。歯みがきの時に、歯ぐきもチエックするようにしましょう。 思春期は歯ぐきのトラブルと並び、むし歯になりやすい時期でもあります。 外出時の飲食や、間食の増加など、むし歯に対するリスクが高くなってしまいます。 むし歯の原因となる歯垢をしっかり取り除くことが大切です。






≪成人期≫

成人期は仕事や家事等の忙しさで、歯や歯ぐきのケアを怠りがちな時期です。日頃の自分の歯を磨くクセを見直し、磨き残しがないように入念に注意して磨きましょう。 歯肉炎が増加し、歯槽骨や歯根膜にまで炎症が進行した歯周炎もみられるようになります。1本1本時間をかけて丁寧に磨きましょう。






≪壮年期≫

40歳代以降は、歯周病などにより歯を失う人が増えてきます。働き盛りで歯科医院へ行く時間もなく、手遅れになりがちです。年に1~2回は、定期的に歯科健診を受けることが大切です。 年齢とともに歯ぐきが退縮し、歯根が出てくることがあります。この部分はエナメル質よりもやわらかく、むし歯になりやすいので注意が必要です。






≪高齢期≫

65歳以降になると、歯を失うケースが増えてきます。70歳代では、1人当たりの平均喪失歯数は約11本となっています。1本でも多くの自分の歯を残すようにすることが大切です。 8020は残っている歯が20本以上なければならないといった厳密なものではありません。80歳で20本を達成できないとしてもそれですべてがダメというわけではありません。たとえ歯の本数が減ったとしても、失った歯に入れ歯を入れ、残った歯を大切にし、「お口のケア」を続けようという意識が大切です。 よく噛むことによりあごの骨や筋肉が動いて血液の循環がよくなり、脳細胞の動きが活発になり、脳の老化を防ぎます。高齢者の場合、「歯が抜けてよく噛めない」、「軟らかい食べ物ばかりを食べてしまう」ということを繰り返すと、脳細胞への刺激が少なくなり、認知症につながります。